百聞は○○に如かず

コスモスの花

既にブログひなた通信の8/18更新「ボランティア」でもお伝えしておりましたが夏休みに、東郷町社会福祉協議会主催の「青少年等ボランティア福祉体験学習」の受け入れをさせていただきました。例年は12~13名程が参加して下さっていたのですが、今年は26名もの中高生にご参加頂きました。


百聞は一見に如かず

随分前の話ですが障がいのある子どもたちの事を少しでも理解してほしいと思い、毎月地域の方々に会報を出して身近なエピソードをのせたりしていたころがありました。また時には障がい理解の話をさせていただく機会がありました。ありがたいことですが、皆さんとても熱心に会報を読んで下さったり話を聞いて下さったりしました。
ですが、当たり前のことですが、聞いたからと言って読んだからと言って、誰しも実際に障がいのある方が困っている場面があったとしても何といって話しかけたらいいのかしら、どんなお手伝いをしたらいいのかしらといった具合にちょっと身構えてしまいますよね。

そんな体験から、理解していただくには直接触れ合っていただくしかないと感じています。


百聞は一考に如かず

いつも参加して下さった方には最後に感想を書いていただいています。
それは「楽しかった」だけで終わらないでほしいという思いがあるからです。
この感想を書くことでその日一日を振り返り、障がい児と過ごす体験をしたことを切っ掛けにして、障がい児の良き理解者とはならずとも、彼らと共にこの町の中で生活していることに気が付いてほしいと思っているからです。
障がい児はどの地域にも一定の割合で必ず生まれてきます。彼らがいて町を構成しています。彼らを排除してしまうと地域として成り立ちません。


青少年等ボランティア福祉体験学習生と学習支援の様子

百聞は一行に如かず

そのことを伝え続けています。そして、最後にお願いすることは学校で朝あったら「おはよう」、帰りには「さようなら」それだけでいいので、このボランティアをしたことを切っ掛けに自分から挨拶をしてほしいとお願いしています。


ボランティア体験をして下さった生徒さんたちの声

私が紹介するよりも実際の感想をお読みください。 ボランティア体験をして下さった生徒さんたちは、私たちが感じてほしいことをきちんと受け取ってくださっていました。

私はひなたぼこにボランティアにきて思ったことがたくさんありました。
一つ目はみんな障がい児ぽく無く、元気でとてもいい子だと思いました。みんなが名前に「さん」を付けて呼んでいるいるのはびっくりしました。二つ目は思っていた障害のある子へのイメージが変わったことです。普段かかわりがなく、見る事しかできなかったのですが実際に遊んでみるとみんな元気で明るいと思いました。最初は不安だったけれど話しかけたら笑ってくれたのでとても嬉しかったです。

中2女子

障がいのある子たちでもこんなに楽しくしているんだなと思った。
みんなが想像する障がい児のイメージと全然違ってびっくりした。みんな普通に遊べて楽しかった。みんな明るくてすごく楽しそうにしていて、なんで社会では障害のある人を差別するのか分からないなと思った。今まであまり障害のある子たちと接点がなくて、少しだけ悪い印象だったけれどすごく変わりました。多分皆も少し悪い印象を持っている人もたくさんいるから、私が感じたことをみんなにも知ってほしいと思った。障害のある人もない人もみんな一緒だということを今日知ることが出来ました。

中2女子

初めてこのような場所でボランティアをしてみて、とても楽しかったです。
言葉使いもしっかりしていたし、礼儀もよかったです。一人ひとり個性があって、やることが違うのもいいと思いました。本を読んでいる子、遊んでいる子、自分で遊びを作って遊んでいる子など様々な子がいました。初めは何をすればいいのか分からなかったけれど、子どもたちから話しかけてきてくれたりして楽しい一日が過ごせました。次もこのような機会があれば積極的にやっていきたいです。もっと明るく話をして、たくさん遊びたいとおもいます。

中2女子
青少年等ボランティア福祉体験学習生による読み聞かせ

一人ひとりにそれぞれ個性があり楽しかった。
周りの事をよく考えている子や、いつでも明るい子、自分で独自の遊びを作り出している子など様々な子たちがいた。初めは何をしていいか不安だったけれど、遊びだしたらとても楽しかった。ジェンガや綱引き、ポケモンごっこ、電車遊びなど小さい頃よくやっていた遊びをやってとても楽しむことができた。どの子も遊びたいように遊びのびのびとやっていたのに喧嘩などしていないのがすごいなと思った。また、機会があれば来たいです

中2女子

最初はどう接していいかわからなかったけれど、みんないっぱいはなしかけてくれてとても楽しく活動ができた。
お片付けも素早くしていてすごいと思った。みんな仲良しでとても活動のしやすい雰囲気だった。障害を持っているなんて思えないほどみんな元気でとても優しくしてくれて嬉しくなった。見学に行った時もけじめをつけてまじめに話を聞いて良かった。みんなフレンドリーでとても楽し良い場所だった。また、来年も来たいと思った。

中2女子

一緒に楽しく喋ったり、音楽に合わせて踊り遊んだりととても心に残りました。
ジェスチャーゲームやにらめっこなどやっていて笑いのたえない時間となり障害者への印象が大きく変わりました。

中3女子
青少年等ボランティア福祉体験学習生と室内での様子

ポケモンのクイズを出してもらったり、ボールで遊んだりと楽しかった。
ビニールプール遊びでは、ホースで水を掛けたり、水鉄砲で遊んだりしてとても楽しい一日だった。いろいろな子がいて最初どう接していいのか分からずただ見ているだけだったけれど、ひなたぼこのスタッフを見ていて普通に接すればいいんだなと安心し、まず自己紹介して名前を教えてもらいいろいろな遊びをした。今日学んだたくさんのことを活かして高校へ行っても積極的にボランティアに参加しようと思った。

中3女子

最初は障害者ってあんまりいいイメージではなかったけれど、今日ひなたぼこにきて障がいのある子と遊んだりして、本当に障害がある?ってくらい、元気でたくさん喋ってくれたりしてとても楽しい時間でした。
障がいがある子なりにできるところを頑張っている姿をみて、自分は障害があるわけではないのにいろいろな事を諦めたりやらないという行動をしたことを、障がいを持っている人からしてみれば「なんでしないの?あなたならできるのに」と言われているようで自分はどんだけ自分勝手だったのかと、今日心に刺さりました。なので、これからは自分でできることは自分で頑張ってやり遂げたいと思います。

中3男子

このように良き理解者がこの町に徐々に増えてくれることを嬉しく思います。来年もたくさん皆さんが参加くださることを期待しています。

--コラム執筆--

社会福祉法人東郷ひなた 理事長 笹野眞智子(ささのまちこ)

ウィリアムズ症候群の息子と東郷町で暮らす。 息子が保育園の時に町内に住む障がい児の保護者で自主グループ(親の会)を発足。 息子小学校4年生の時にウイリアムズ症候群の仲間と、親の会を発足。 東郷町知的障害児者連絡協議会(知障連)を町内の他団体と発足。 H17年心療内科心理職で勤務時に行動療法・応用行動分析療法を学ぶ機会を得る。 その後、行動療法学会、行動分析療法学会、発達障害学会の学会員となる。 平成21年知障連の会員の有志とNPO法人ひなたを設立。 平成30年社会福祉法人東郷ひなたを設立。

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